言語と言語教育の
スペシャリストを育てる
「言語とは何か」という問いは、「ヒトとは何か」という人間の本質に通じる問いです。言語の音、語彙、意味、文法やその運用など、言語の仕組みや体系について探求するとともに、母語以外でコミュニケーションすることの意味や、言語教育のあるべき姿について、理論と実践から迫っていきます。
本研究科は以下のような人材を求めています。
- 1.言語研究と言語教育の分野で多角的な研究を実践し研究者・専門家をめざす人
- 2.高度専門職業人として創造性と実践力のある英語・日本語教育のスペシャリストを志向する人
- 3.言語のエキスパートとして、広い視点に立って言語・言語教育の研究に意欲 を持つ人
大学院で学ぶということ
大学院で学ぶことのメリットは何でしょうか? その答えをひとことで言えば、「知識と思考力が増す。それによって、論理的に考え、客観性を伴った判断をし、柔軟に行動することができるようになること」でしょう。それはどういうことか。
「ポンプを使う」ことを想像してみてください。地下から水を汲み上げるために使うポンプです。「ポンプを使う」には、まず、自分がどこに立って、ポンプのどの部分を持ってどう動かすか、という知識とそれを行動にする能力が必要です。これは、特殊な知識や能力を必要としないという点で、一般的な知識と能力と言えるでしょう。もちろんうまく水を出すためには、マニュアルを読むだけではダメで、実際にやってみて、力の入れ方や動かし方を経験する必要があります。では、ポンプが壊れたらどうでしょう? 故障したポンプを修理する、異なるデザインのポンプを使う、別の場所に新たにポンプを作る、という場合に必要なのは、もっと専門的な知識と能力です。「ポンプ」の原理や構造についての知識と「ポンプを作る・使うこと」に関連する知識(例えば、地質や水、材料や機械、人や社会に関する知識)とそれを使って行動する能力です。
大学院で学ぶことのメリットは、前者のような「すでにあるモノを使う」知識と能力だけではなく、後者のような「そのモノについて深いレベルで理解しているため、使い方をよく知っているだけでなく、修理したり改良したり新しく作り出したりする」知識と能力を養うチャンスが得られるということです。
本学大学院は、日本語、英語という言語とその習得と教育について、先端的専門知識とそれに裏打ちされた研究力・指導力を養うためのプログラム(修士課程・博士課程)を提供しています。科目には日本語学・言語学、応用言語学・第二言語習得研究、言語教授法、評価法、教育実習などがあり、一人一人の学生の研究プロジェクトをしっかりサポートします。
大学院での学びを通して、より高度な知識と思考力と学習能力が身につくと、もっと自信を持って行動したり新しい変化にも対応することができるようになり、自己の社会的価値も高まります。大学院を修了した後は、国内・海外の様々な教育機関で言語教育の実践に従事したり、言語に関わるその他の関連分野の職業に就いたり、博士課程で学術研究を続けたり、様々な分野に進んでいきます。