日本の経済システムに対する評価は、その時々の景気の動向や経済構造の変化に左右されて、これまで大きく揺れ動いてきた。あるときには日本の経済発展の秘訣とされていた特徴が、のちにはその諸悪の根源とされてしまう。このような認識の変化とプロセスを、歴史的な視点とグローバルな視点から整理し、改めて日本経済システムの今日的な意味を考えたい。
ハーバード大学大学院修了。1984年から1995年までデューク大学で教鞭をとり、1995年からハーバード大学で日本史を教える。主な著書『富裕の代価:戦後日本における労働と経営』1998年、『戦前日本における労働と帝国民主主義』1991年、『日本における労使関係の変遷:1853年から1955年の重工業』1985年、編著『歴史としての戦後日本』1993年など 。