日本は近年グローバル化および多文化化がますます進み、さまざまな国籍や文化を持ったひとたちとの接触や交流も日常茶飯事となっています。みなさんの親密圏にもきっと異文化を持つひとたちが増えてきているのではないでしょうか。でも意外にわたしたちは実情をあまりよく知らないのです。本シリーズはこういう身近な問題を本音で話しあえる等身大のチャンスとして企画しました。ときには学生同士(特に留学生と日本人学生との交流を主軸として)のパネル・ディスカッション、ときにはスペシャリストをお迎えしての講演会といったヴァリエーションをつけながら活発に意見交換をしていきたいと思います。興味や関心があるかた大歓迎です。みんな一緒に語り合いましょう!
第1回目は、韓国、イギリス、アメリカからの留学生と日本人学生3名によるパネル・ディスカッションを開催します。使用言語は日本語です。
近年の日本では多国籍化・多文化化が進み、さまざまな国籍や文化をもった人々との接触や交流も日常茶飯事となっている。私たちの「親密圏」にも異文化をもつ人々が増えてきているが、意外に私たちは実情を知らない。本シリーズ「親密圏の異文化問題を考える」はこうした問題を本音で話しあえる等身大のチャンスとして企画した。第1回目にあたる本会では、韓国・イギリス・アメリカからの留学生3名と日本人学生3名(日本国籍取得者含む)の計6名をパネラーに迎え、ギブソン松井佳子本研究所所長の司会進行によりディスカッションを行った。
外語専攻の教育機関では教職員・学生とも全般に海外志向が強く、留学経験者や帰国子女ばかりでなく、ダブル(ハーフ)や日系人、オールドカマーや帰化者など多様な民族・文化的出自をもつ者が多い。互いの多様性を認め合い、自らの特色としてアピールできる自由闊達な雰囲気があるなかで、パネラーとなった6名は留学の動機や国際結婚への憧れ、語学指導者や国連職員等の将来設計を語りながら、そこに両親やいとこ、近所の友人など身近な人々から受けた影響が大きいことをそれぞれ再認識していたのが興味深い。こうした原体験をもつ若者たちが、諸国で学び、その体験を周囲にも伝えてゆくことが期待される。