今日本における国際結婚はどんどん増えています。みなさんは国際結婚という言葉を聞くと、どんなことを思い浮かべますか?「ダーリンは外国人」の甘いイメージでしょうか。あるいは相互理解がむずかしくて大変なイメージですか?おそらくどちらもある程度当たっているのでしょう。しかし国際結婚において異文化間コンフリクトを避けることは無理だと考えられます。憧れだけで突き進むことも危ないですが、かといって悲観的になる必要もないでしょう。留学生と日本人の6名の学生さんたちに熱く本音でいろいろ話しあってもらいましょう!
「親密圏の異文化問題を考える」シリーズ第4回にあたる今回は、国際結婚について、特に避けられない問題の1つである異文化間コンフリクトについて議論が行われた。パネリストはスペイン・ベトナム・インドネシアからの留学生3名と日本人学生3名の計6名、司会進行はギブソン松井佳子本研究所所長であった。
国際結婚はステレオタイプが多く、日本人女性にとって西洋系の男性との結婚は憧れであった。これは、日本の西洋文化への憧れが根底にあり、逆に西洋のアジアへの憧れもあるという。こうした互いの出身国のイメージから国際恋愛・結婚に発展した場合、相手を個人として見ているのかという問題が生じる。互いに主体性を持ち、相手と向き合うことが重要であるという指摘がなされた。
実際の国際結婚で直面する問題としては、どこに住むかという問題、言語の問題が取り上げられた。
どこに住むかという問題は、自身の自己実現や老後など人生設計に関わる問題で、一方が自己実現をすると、一方が自身の自己実現を諦めなければならない状況も生じる。また、相手の国に長年住んだとしても、老後には母国回帰を考える可能性があるという問題も挙げられた。
さらに、国際結婚における大きな問題は、言語の問題である。共通言語の選択、母国語以外の言語で本当の自分を伝えられるのか、相手を本当に理解できるのかということについて、活発な議論が交わされた。また子どもが生まれた場合、親の言語を継承すべきかについても様々な意見が出された。こうした問題は、言語が社会的有益性だけではなく、個人が持つコミュニケーション・リソースの一部であることを表している。
最後に、酒井邦弥本大学学長の国際結婚を乗り越えるには若さと愛が必要であること、老後は誰にとっても予測不可能なものであるというコメントから、結婚が人生において重大なテーマであることが改めて示された。