令和4(2022)年4月、神田外語大学グローバル・リベラルアーツ学部(以下、GLA学部)は2期生を迎えた。GLA学部の教職員は、2月に実施した1期生のリトアニア研修終了後から動き始め、7月に2期生向けの海外スタディ・ツアーを実施する方針で準備を開始。2期生たちは入学当初から1年次前期で海外研修に行くことを前提にGLA学部での学びを始めた。厳しい条件のなかで実施された1期生のリトアニア研修。そこで得られた知見が生かされ、2期生たちの学びが始動したのである。
令和4(2022)年4月1日、入学したばかりのGLA学部2期生と保護者向けに、神田外語大学で学生の海外研修を担う国際戦略部から「国際交流・留学について」の説明が行われた。GLA学部が掲げている在学中2回の海外留学が解説され、1年次の海外スタディ・ツアーは「世界の現実を知り、自分の学ぶ目的を発見する気付きの機会」として位置付けられた。
また、GLA学部開設当初に挙げていた4カ国・地域(リトアニア、インド、マレーシア・ボルネオ、エルサレム)の全てを派遣先として決定したことが公表された。
リトアニア
学習テーマ:人道/歴史理解/対立・紛争・連携/その他
インド
学習テーマ:多文化共生/宗教/多様性/その他
マレーシア・ボルネオ
学習テーマ:サステナビリティ/宗教/多文化共生/その他
エルサレム
学習テーマ:宗教/歴史理解/人道と支援/その他
加えて、渡航前の事前学習を神田外語グループの国際研修施設「ブリティッシュヒルズ」(福島県天栄村)と神田外語大学幕張キャンパスで2週間(6月18日〜7月1日)にわたって実施することも発表された。1期生が経験し、その効果が実証されたオンライン留学と現地研修の「二段構え」が早速取り入れられたのである。学生たちは、自身が留学する国や地域だけでなく、リトアニア、インド、マレーシア・ボルネオ、エルサレムの全てについて現地と結んだオンライン留学などを通じて学び、それぞれの違いや共通点についても理解を深められるのである。
ブリティッシュヒルズでの合宿では、「福島フィールドトリップ」も盛り込まれた。平成23(2011)年3月の東日本大震災によって生じた東京電力福島第一原子力発電所の事故を伝える展示施設を訪れ、被災者の方々や東京電力の職員と交流し、日本国内にある社会的な問題について学び、考える機会を得る。これも前年に行われた1期生の被災地研修の学習効果を踏まえて、継続が決まったのである。
2週間の国内研修を終えたGLA学部2期生たちは、1週間後の7月8日と9日、自らが希望するそれぞれの派遣先へと旅立つ。
国内での合宿形態での事前学習、4カ国・地域の全てについて学ぶオンライン留学、原子力発電所の事故という国内の問題を体感するフィールドトリップ。コロナ禍の最中に試行錯誤を経て実現した1期生たちの学びの全てが2期生の海外スタディ・ツアーの立案に生かされたのである。
神田外語グループの建学の理念「言葉は世界をつなぐ平和の礎」を体現するべく、世界で起きている課題の解決に取り組む人材育成を目指し開設されたグローバル・リベラルアーツ学部。その前例のない教育カリキュラムは、教職員と学生が一体となって数多くの課題に真摯(しんし)に向き合いながら具現化され、そして進化していくのである。(了)