宇宙空間に浮かぶ青い地球の映像を見ても、今はもう驚く人は少ないでしょう。しかし、この生命に満ちた奇跡の星・地球の美しさは暗黒の宇宙空間の中で際立っています。私はこの星に生まれたことに、大きな神秘と感謝を覚えずにはいられません。
「地球は青かった」
そう語ったのは、1961年4月、世界で初めて有人宇宙飛行を成功させたソビエト連邦(当時)のガガーリンです。その言葉は世界中に大きな感動を巻き起こしました。
神田外語グループの初代理事長・佐野公一はその4年前の1957年に東京・神田にセントラル英会話学校を開設し、学園のスタートを切りました。
第2次世界大戦は終わったとはいえ、当時も地球上では紛争が続いていました。ガガーリンが飛ぶ宇宙空間を見上げながら、公一は考えました。
この地球を本当に平和な星にするには、人々が理解しあえる共通の言葉を覚えなければいけない。地上に静穏な日々をもたらすのは外国語教育だ、と確信したのです。
「言葉は世界をつなぐ平和の礎」
そんな思いからこの言葉が生まれました。
私たちはこの公一の言葉を建学の理念としています。外国語教育の推進は人々に心の懸け橋をもたらし、世界の人々への理解と共感を生み出すからです。
現在、日、米、ロ、欧州各国など15か国で運用している国際宇宙ステーション(ISS)では英語が共通語とされています。ですから、日本人宇宙飛行士の候補者募集では、「円滑な意思の疎通が図れる英語能力を有すること」が条件のひとつとして明記されています。
また、一方では、日本人宇宙飛行士にふさわしい教養として「美しい日本語、日本文化や国際社会・異文化等への造詣、(略)豊かな表現力」なども求めています。
考えてみれば、これは宇宙飛行士だけではなく、地上において生きる私たちも全く同様に求められるものではないでしょうか。
人々の活動範囲は国境を越え、様々な言葉と文化がぶつかり合う現代、宇宙飛行士なみの語学力と日本人としての教養を持つことの重要性はますます高まっています。
生まれた国は違っても、語り合う中で理解し合い解決する。日本の言葉や文化についての理解を失わず、異文化との違いを乗り越えながら解決する。
それこそが「地球市民」であり、グローバル人財だと思います。そして、グローバル人財の名に値する卒業生を一人でも多く輩出すること、それこそが公一から受け継いだ私の夢なのです。
神田外語グループ(学校法人佐野学園)
理事長 佐野 元泰