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50th Anniversary -Interviews-
本当にたくさんの方々が神田外語のために働いてくれました。
神田外語学院であれだけ多くの専門学科を設立できたのは佐藤武揚さんのおかげです。製薬会社での営業経験を生かして、企業でどんな英語が必要かを調査し、新学科のカリキュラムを作ってくれました。海外からの教員採用を始めてくれたのは、アントン・グディングス先生です。世界中に行ってくれたおかげでハワイ大学ともつながりができて、後に神田外語大学のELIを立上げ、自立学習の中心となるフランシス・ジョンソン先生に出会うことができました。
神田外語大学を立上げたときはYKKです。山本和男さん、北原賢三さん、久保谷富美男さんの3人が中心になって、都心部での大学設置は認めない方針だった文部省を相手にチームワークで戦ってくれた。開学のときには、数多くの先生方が神田外語の可能性にかけて、前職を辞めて移って来てくれました。そして今も、数多くの方々が神田外語のために働いてくれています。
大学では、それぞれの道を究めた先生方が学長を引き受けてくださったので、語学教育だけではない、神田外語らしい時代に敏感な教育を培っていくことができました。初代学長は小川芳男先生。日本の英語教育界の重鎮です。第2代は言語学の権威の井上和子先生。大学院を創設し、教員の研究力を高めていただきました。第3代学長は石井米雄先生です。アジア言語と文化の研究の第一人者で、胎動する東南アジアへと大学の領域を広げていただきました。そして前学長の赤澤正人先生は外務省出身です。大使まで務められたご経験で、学生が外交の現実にふれる機会を創っていただきました。
「この人だ」と思える方に出会えたら後はお任せします。託すのです。決定権も予算も渡して、でも全責任は自分が持ちます。僕がすべきことは事業の軸が目的からぶれないように見守りながら、芽が出るまでじっくりと待つことです。
人には器量というものがあります。僕には僕の器量があるから、何か新しい事業を興したければ誰かに預けるしかない。そして、誰かの手をお借りして、自分が願っていることが実現すれば、これほど嬉しいことはありません。その方もやりたいことをやっているから嬉しいはずです。お互いに幸せなんですよ。
適任者と出会い、仕事を任せ、事業として軌道に乗せるのには時間がかかります。だからこそ、経営がしっかりしていないといけない。収益を確保して、事業に投資ができなければ、いくら高尚な理想を掲げても、事業として実現できません。実現できなければ、学生によい教育を与えてあげることもできません。
任せたもののうまくいかないときだってあります。でも、その時は自分の伝え方、言葉が悪かったと考えます。だから、ちょっと伝え方を工夫してみる。何度か試してみて、それでもうまくいかなかったら、その人とはその事業でご縁がなかったということです。別の事業であれば、うまくいくかもしれません。相手のせいにしてしまうと、自分の中に不平不満が生まれてしまいますからね。まずは、自分を顧みることが必要だと思いますよ。(3/6)