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50th Anniversary -Interviews-
対談の数週間後、宇佐美さんから 佐野隆治会長を表現した作品が届きました。作品には宇佐美さんよりこんなメッセージが添えられていました。
『葉』揮毫に寄せて
「葉」という漢字は、木から新しい枝が出、その上に生ずるものの形。
その姿は、佐野学園という大きな幹から、それぞれの学生が枝となり、卒業生が未来へ向って生い茂っている様と重なりました。そして、それは同時に、佐野学園自体が、創立者であられる佐野公一氏、佐野きく枝氏、そして会長・佐野隆治氏、理事長・佐野元泰氏と、揺るぎなく継承されている様とも重なり、この度、貴殿の喜寿お祝いに際し、「葉」をいう漢字を選び、揮毫させて頂きました。
『言葉は世界をつなぐ平和の礎』この理念の中には、ふたつの「世」という漢字要素が含まれていることはお気づきでしょう。「葉」の構成部分である「世」と、世界の「世」。この「世」という漢字は、ひとつの生命で終わらず、その生命・魂が、次世代へと繋がっていること、つまり、世代を意味しています。歌集『万葉集』という意味も、万世に継承したい言葉・歌という想いがその命名の由来のひとつ。貴殿におかれましては、公私共にふさわしい漢字であろうと、文字学的にも確信をしております。
佐野学園のシンボルマークの赤は口、青が地球に当たるという事を、理事長・佐野元泰氏から、ひと頃前に説いて頂いたことを思い出し、表具は、清清しい緑味を帯びた青の天然草木染本絹シケ素材を使用。また、額には、吉野杉を使用し、会長室調度品の色味を鑑み、色を重ねました。
(表装・・・澄心堂・ちょうしんどう/馬毅・まーたけし)
本日、平成二十三年七月七日、七十七歳を迎えられる貴殿に、この「葉」を、「いしずゑ会」、そして、佐野学園関係者ご一同様の想いの形として愛でていただけましたら幸いで御座います。
宇佐美志都(うさみしづ)
書家・文字文化文筆家。書を教えていた母の影響を受け、幼い頃より書を学び始める。福岡教育大学特設書道科卒業。個展活動や、自らの書廊・書庵での常設展示などを展開。平成15(2003)年、京都の認定NPO法人文字文化研究所にて、当時の理事長・白川静氏(文化勲章受章)より当時最年少で文字文化認定講師を拝命。平成21(2009)年、ロンドン芸術大学テキスタイル学科に留学。現在、東京を拠点に、書家・文字文化文筆家として書を制作するとともに、文字の成り立ちと日本の慣習にまつわる執筆や講演を行っている。
佐野隆治(さのりゅうじ)
昭和9(1934)年東京生まれ。慶應義塾大学法学部中退。昭和38(1963)年、神田外語学院の前身であるセントラル米英語学院の経営に参画、
以来、神田外語グループの発展において中心的な役割を果たす。昭和63(1988)年に学校法人佐野学園の第3代理事長に就任。
平成22(2010)年、理事長を退き、会長に就任する。平成29(2017)年3月永眠。享年82歳。