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50th Anniversary -Interviews-
こうやって、学生はビデオを見たり、LLで授業をやったりと、黒板での勉強から離れていきました。これが新しい英語教育のスタイルである「キフルメソッド」の始まりです。語学教育で初めてビデオを使い、LLで音を聞き、授業は外国人教員が行うのです。
僕自身、英語が好きじゃなかった。だから、キフルメソッドを発想できたのだと思います。それに僕は怠け者だから(笑)。できるだけ楽をする方法を考えたんですよ。
昭和49(1974)年にはコンピュータを使った語学教育を開発しました。CAI(Computer Assisted Instruction)です。当時はまだ音声認識ができなかったから、文字でのやりとりでした。コンピュータの画面上に文章が出て、質問をしてくれる。答えを英文で書いて、間違えると直してくれるのです。
当時の英語教育はどうしても先生に教わる「受け身」の授業でした。もっと能動的な教育ができないかと思っていた。このシステムは、英文をタイプすると、それに対してコンピュータが返事をしてくれるというものです。これは昭和50(1975)年にフランスのマルセイユで開かれた世界学術会議でも発表しました。画期的なシステムとして、大きな反響がありましたよ。
CAIはうまくできたから、話題にもなった。システムとして売り出そうとしたんだけど、当時は今みたいにコンピュータが普及していなかった。ハードが高いんですよ。CAIの事業自体は、結局、赤字で終わった。ちょっと時代より早かったんでしょうね(笑)。
この時期はよく仕事もしたけど、よく遊んだね。本館の裏には「神田浴場」という銭湯があって、仕事が終わると風呂を浴びてさっぱりして、それから飲みに行ってましたよ。(5/6)