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私が学長を務めていた時代に、いくつか大学との大学間連携の協定を結びました。ひとりの人間を育てるには網羅すべき教育の領域がありますが、すべての領域の施設やカリキュラムを完璧には揃えられません。それに、すべてを自前でやるのは経営的に不可能です。大学同士がそれぞれの特長を生かして補完し合う意味では、僕は大学連携が絶対に必要だと思いますね。
神田外語大学がある千葉・幕張新都心には数多くの企業が集まっています。代表する企業のひとつにイオンがあり、平成25(2013)年6月に神田外語大学とイオングループは産学連携のパートナーシップに関する協定を締結しました。イオンは東南アジアで事業展開をしていますから、現地で活躍できる人材を育成したいし、国内で採用した留学生の教育も行いたい。様々な部分で協力をし合えます。単に学生の就職先を確保するために結んだ締結ではありません。お互いにこの幕張という土地からは逃げられません。だからこそ、焦らず、腰を据えて連携を深めていけばよいと思います。
被災地でも、スポーツ大会でも、国際会議でも、ボランティアをするというのは舞台に立つこと。そして、それは自分自身の居場所を作ることでもあります。僕は学生に「社会に出たら自分の居場所がなくなるよ」とよく言います。会社は今までのようなファミリー的な要素がなくなるし、家庭や地域でも関係を作るのは難しい時代。僕は卒業した大学が社会人にとっても居場所になるべきだと思う。「いつでも帰ってらっしゃい」と言いたいですね。
神田外語大学のよい所は自分の居場所を見つけられることです。例えば、MULCは、各言語を学ぶ学生の部室だと思ってほしい。いつでも来ていいし、そこにいるだけで先輩、後輩、留学生が来る。話しているだけで勉強になる。そんな場所のある大学なんて、他の大学にはないんじゃないかな。溜まり場があって、人との出会いがあるからこそ、そこから素晴らしい人間が育っていくんです。
そういったつながりがアジアに広がる同窓会として機能する。海外からの留学生も一緒になってネットワークが生まれていく。僕もベトナムのホーチミンで開かれた同窓会に参加したけど、それは素晴らしい光景でしたね。(6/7)