神田外語グループのいしずえを築いてきた人々

第18回 赤澤正人神田外語大学第4代学長『国際舞台を目指す学生に道を示す』

弱点を浮き彫りにした第三者機関の評価
ビジネスや通訳・翻訳などプラスαを強化する

平成16(2004)年、すべての大学は文部科学省が認証する第三者機関によって、教育研究活動や組織運営、施設設備などを評価されることが義務づけられました。佐野会長は、「とにかく最初に認定を受けよう!」と号令をかけました。おそらく全国の大学でもずいぶんと早かったんじゃないかな。初めての体験でしたから準備は大変でした。とりわけ事務局は膨大な資料を準備しなければなりませんでした。平成18(2006)年、神田外語大学は文部科学省が認める評価機関から総合的「認定」の評価を受けました。

波及効果も大きかったですね。評価を通じて、神田外語大学はどこが優れていて、どこが弱みかを自分たちで自己点検することができたのです。大学の現状を理解しながら、改善策を考えるという意味ではよい機会になったと思います。

大学としての強みは教員が非常に多様であるという点です。外国語大学でありながら、一般教育が充実しており、さまざまな分野についての授業が受けられる。一方、弱みであり課題は、内容を伴いながらどのようにして学生の語学力を高めていくかでした。その議論から生まれてきたのが、国際コミュニケーション学科の国際ビジネスキャリア専攻や英米語学科の通訳翻訳課程です。

国際ビジネスキャリア専攻は、外国語を学習しながら、言葉プラスアルファとして国際ビジネスを専攻として学ぶというものです。次元の高い英語力を身につけたい学生には、通訳翻訳課程を設けました。1年生から通訳・翻訳家になるための訓練を始める。教員はプロの通訳や翻訳家にお願いしました。

平成20(2008)年に国際問題研究所が設立されましたが、これも本学には社会科学系の研究所がないということで、学生たちが国際問題にもっと強い関心を持ってもらいたいとの思いからです。

私は平成22(2010)年に学長を退任してからも、特任教授や非常勤講師として、「国際関係論」や「国際機構論」を教えています。最近では、在外公館の派遣員に合格する学生も数多くいますし、学生たちからも「外務省を狙っているんだけどどういう勉強をすればよいでしょうか」と聞かれるようになりました。ずいぶんと意識が変わってきたんだなと思います。(7/10)

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写真撮影:塩澤秀樹
取材・文:山口剛

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