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オープニングの式典では100人以上の来賓をお迎えしましたが、サービス部門のスタッフは18人しかいませんでした。その人数で、レセプション、給仕、パブ、プール、スポーツの全部門を賄わなくてはいけなかったのです。だから、開業後も大きな式典があると、ダン・シモンズやベッキーなど教育の担当者たちが料理や飲み物の給仕をいつでも手伝ってくれました。とても家族的なチームでした。ダンは給仕用のベストを着るのが大好きでした。
サービスと教育のスタッフは、部門の垣根を越えていつも協力し合っていました。サービスのスタッフは、テーブルマナーやワイン、ダンスといったクラスがあると、率先して協力しました。お客様に日本にいながらにしてイギリスにいるような楽しさを味わってもらうこと。我々はみな、その実現に最上の喜びを感じていました。
当時、ブリティッシュヒルズにいた外国人は、それぞれに長所もあれば、短所もあった。だからこそ、我々はファミリーになりました。日本人のスタッフも同じです。長所と短所を互いに補いながら、強い絆で結ばれていったのです。
私はサービス部門のマネージャーでしたが、他のスタッフと同じように現場で仕事をしました。テーブルサービス、シルバーサービス、ワインサービス、エスコート。チェックインの時は、マナーハウスから客室までお客様の荷物を運びました。冬になれば雪をかいたし、お客様が雪にはまってしまえば救助に向かいました。それが我々の仕事であり、役割でした。
自分がマネージャーであるかどうかなんて関係ありません。お客様への接客において、自分の仕事をするだけです。私たちがブリティッシュヒルズにいる理由は、お客様にかつて経験したことのないような最高の喜びを提供することです。それは、個人でいらっしゃるお客様に対してはもちろんですが、生徒や学生に対しても同じです。
私には接客に対する信念があります。接客とは仕事ではなく、情熱そのものなのです。接客業はとてもきつい仕事であり、情熱がなければこの仕事に就くべきでないと私は思います。接客とは天職であり、情熱そのものなのです。
最初の3年間は、お客様がとても少なかったです。佐野隆治理事長は神田外語グループの学生を送り込むと約束をしてくれました。学生は、1グループが120人程度です。学生の食事はリフェクトリーでのビュッフェです。個人のお客様には、フロアを見渡せる「ロイヤルバルコニー」にお席を用意しました。そして、次第にほかの大学や高校からも研修旅行が増え始めていったのです。(5/9)