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私は、平成22(2010)年にブリティッシュヒルズを退職しました。平成6(1994)年に来日してから16年が過ぎていました。16年にもわたり、ブリティッシュヒルズに関わることを許していただけたこと、それ自体が名誉なことです。
佐野隆治理事長がオーナーでなければ、16年間もブリティッシュヒルズにいなかったことでしょう。理事長は、ご両親が始められたことに対して責任を持つ素晴らしい人物です。理事長にしても、やってきたことが実を結ぶことは満足感が得られたでしょう。私は理事長を尊敬します。
理事長は、人間の誠実さという真実を信じています。私は常に、理事長に対して常に率直であり続けました。理事長に尋ねられると、私は思ったことを率直に述べました。彼が私の答えを気に入るかなんて関係ありませんでした。私は、理事長には常に正直であり続けました。彼はボスです。そして、私が理事長の家族に対して抱いている気持ちを表現するのは難しい。極めて名誉なことです。
理事長はとても独創的です。彼は通常の日本人の経営最高責任者とは違います。彼に萎縮している人々をよく見ました。人々は彼に意見するのをとても恐れています。日本文化では上司に反論するというのは勇気のいることですからね。人々に恐れられるのは、敬意を払われていることの最大の現れですが、彼もまた人間です。彼は、私やあなたとまったく変わらない普通の人間なのです。
オープン当初と比べると、為替レートが円安になるなど経営環境が大きく変わっているのも事実です。スタッフも日本人中心へと移行しなければならないのでしょう。しかし、それではブリティッシュヒルズではなく、ジャパニーズヒルズになってしまう。我々が始めた伝統を継承し、今も、「これこそがイギリスだ」という気概を込めて仕事を続けていることに期待します。それがなくなっているとすれば、私はブリティッシュヒルズに戻って、言わなければならない。
「あなたがブリティッシュヒルズにいる存在意義は、真のイギリスを具現化することです。コンセプトに忠実であることの大切さをぜひ思い返してください」(9/9)
ジョン・スチュワート・レナルディ(John Stewart Renaldy)
昭和25(1950)年、イギリスのエディンバラに生まれる。ニューカッスル大学を卒業し、約10年にわたりホテルでの実務を経験した後、独立。平成6(1994)年に来日し、ブリティッシュヒルズの開業以前から接客部門のマネージャーとして参画した。在職中は、プロトコル(儀典官)も兼任。平成22(2010)年にブリティッシュヒルズを退職後、フィリピンに移住。現在はマニラの大学で観光学科の講師を務めながら、学生たちにホテル業の実務について教えている。