本物の英国文化を体現させるために

第4回 ジョン・スチュワート・レナルディ ブリティッシュヒルズ元儀典官『英国文化を代弁する責任を担って』

大使館の「ふるさと」になったことは
ブリティッシュヒルズにとって光栄なこと

バトラーのピーター・スタンブリーは3年ほどでブリティッシュヒルズを去りました。その後、もうひとりバトラーが来ましたが、彼が辞めた以降、バトラーは置かれませんでした。

佐野隆治理事長は決めました。「ここにはジョンがいる。彼がやってくれる。問題ない」とね。実際、私とピーターのふたりで補いながらVIPの接客をしてきました。接客マネージャーだった私は、バトラーの役割を担いながら、プロトコル(儀典官)となり、イギリス大使のお世話も任されました。

ブリティッシュヒルズにいた16年間に5人の大使にお仕えしました。例えば、デビッド・ライト大使はとてもきちょうめんな方でした。車で白河駅にお迎えにあがります。ライト大使は車に乗り込むと、「ジョン、到着した。スケジュールはどうなっている?君の指示通り動く」と言ってくれたものです。私は大使の信頼を得ることができ、自身の責任を果たせました。

ブリティッシュヒルズではゴルフの「アンバサダー・カップ」も開かれました。ダイアナ妃が名誉総裁を務めていたピーターパン子ども基金の支援ができたことも光栄なことでした。イギリス大使館で大きな行事があると、そのイベントを開催する会場として選択肢に入るようになっていったのです。

いつしか、ブリティッシュヒルズは、イギリス大使館にとって東京から遠く離れた場所にある外部施設のような存在になりました。大使館にとっても「ふるさと」のような存在になったのです。そう認めていただけたことは、ブリティッシュヒルズにとってとても光栄なことでした。

イギリスの自動車メーカーのジャガーからも協賛を得ました。ジャガー・ジャパン社長のデビッド・ブルームという人物とご縁ができたのです。

彼に、「ブリティッシュヒルズの者です。ジャガーを1台ご提供願えませんか」と頼み込んでみました。最初のお願いは失敗しましたが、2度目の挑戦は成功して、その後、毎年、ジャガーXJSの新モデルを提供してくれるようになりました。ジャガーが車輛を提供するのは初めてのことだったようです。

ブリティッシュヒルズでは、マナーハウスの目の前にジャガーを置き、イギリス大使やVIPの送迎に使いました。興味のあるお客様には、ジャガーとはどんな車であるかを説明しました。ブリティッシュヒルズ、ジャガーの双方にとって利益のある企画でした。(8/9)

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写真撮影:塩澤秀樹
取材・文:山口剛

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