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50th Anniversary -Interviews-
神田外語で学ぶ学生たちには、真の国際人になってほしいですね。そのためには、外国の文化にじかに触れて、体験を通して外国語を習得していく必要がある。日本人だけで行動せずに、現地のコミュニティーに飛び込んでいってほしい。
日本で有名な英会話の講師の方がハワイに来たときのことです。その方は、「独学で学んだけれど、僕の英語は完璧だ」と豪語されていました。食事をご一緒することになり、ホテルに迎えに行ったら、なんと草履をはいている。レストランでは、ひとりでは食べきれないディナーサラダを注文してしまって驚いている。それで英語が完璧だと言えるでしょうか? 言葉は文化や生活習慣のなかで習得してこそ、初めて理解できたと言えるのです。
私はホテルビジネスの研究もしているから、80歳になった今も、香港、東南アジア、そして日本を旅しながら、自分の目で各国の事情を確かめています。体験でしか学べないことがたくさんありますからね。
日本人はつい日本を中心にして物事を考えてしまう。プライドが高く、相手の国の文化を否定してしまう。でも、対等にコミュニケーションをするには、互いに尊敬し合わなければならない。それには、相手の言葉や文化、歴史を真面目に学ぶ必要があります。日本人の勤勉さで、真面目に研究する。今後はさらに多文化社会になっていくから、複数の国について学ばなくてはなりませんね。
神田外語の学生たちには、ぜひ、正しい心を持ち、考える力を身に付け、そして外国の文化と言葉を学んで、真の国際人になってほしいですね。(8/8)
西山和夫(にしやまかずお)
ハワイ大学名誉教授。昭和8(1933)年、茨城県結城市生まれ。パン・アメリカン航空を経て、ハワイ大学に留学。昭和45(1970)年、ミネソタ大学で日米合弁企業について異文化コミュニケーションの視点から研究し、博士号を取得。以来、日米のビジネスコミュニケーションを専門に、ハワイ大学で教鞭を執り続けるとともに、ビジネスコンサルタントとしても活躍。平成12(2000)年9月から翌年1月まで、神田外語大学異文化コミュニケーション研究所客員教授を務めた。