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50th Anniversary -Interviews-
開学から3年目以降は、教員になることを目指す学生を指導する教職課程の英語を担当しました。「英語科教育法」です。授業では、学生たち自身に授業をさせました。前期では基本的なことを講義し、後期は授業をさせる。絶対に日本語は使わないというルールを設けました。指導案もすべて英語で書かせました。学生たちも、「こんなにやりがいのある授業はない」って、非常に乗ってきましたね。マクドナルドをテーマにした授業をやったときは、店舗に行ってカップをもらってきました。とても充実した授業でした。
教職課程の学生たちは、2週間の教育実習に行きます。実習生は指導案を書きます。私はすべて英語で書くよう指導していました。授業でも年間に10回ぐらい指導案を書かせるのですが、すべて英語で書かせました。指導案を英語で書くことで、授業を英語で行うことの基礎もできますからね。
実習から戻った学生に実習日誌を見せてもらうと、実習先の高校の指導教官のなかには、「英語で指導案を書かれては分からない。なぜ日本語で書かないのか?」というコメントを書く方もいました。私は内心、「これは成功したな!」と思いましたよ。一方、学生からは「先生は日本語で書くことは教えてくれませんでした」と抗議されましたが、まぁ、翻訳すればよいだけですから。
もうひとつ心がけたのは視聴覚教育ですね。必ずOHPを使って授業をやるよう指導しました。ところが、教育実習で高校へ行くと、OHPがないと言われる。ないわけは、ないんですよ。なぜなら、私が文部省にいたとき、視聴覚教育を推進する一環として、すべての高校でOHPを教材として購入する費用を予算として確保し、各県に割り当てたのですから。たいていの場合、物置にしまってありましたね。文部省や県が色々と考えて予算を確保しても、教育現場では使えきれていないということですね。
教育実習先の学校で「君は、採用!」と校長先生に言われた学生もいました。これだけの実習ができるのであれば、教師として充分に通用するという評価です。もちろん、学生は教員採用試験に受からなければなりませんが、合格者の名簿に載れば、その校長先生が指名してくれるというわけです。私も驚きましたが、同時に、学生たちへの指導が評価されたと感じました。(8/10)