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これは僕自身が後で気付いたことですが、人生における可能性は自分が思っているほど多くなくて、ある決まった枠の中に自分を追い込んで、そこにあるものから選択をしているのです。僕の場合、それは大学で教えることでした。
僕が、今学んでいる大学生たちに言えるのは、すごく単純だけれど、学生は基本的に勉強が大事だということです。「勉強は裏切らない」なんて言いません。結果が出るかどうかわからないのですが、学生になった以上、勉強するしかない、ということです。
勉強したことが役に立つかどうか、それは運次第です。一生役に立たないかもしれない。学んだことが就職に役立つか、どうか。そんなことは誰にもわかりません。でも、学生になったからには、教室に通って、学ぶしかありません。
そして、学びを通じて友と出会い、語り合い、何かを楽しく感じられたら、それが大学で学んだ一番大きな収穫になると僕は思います。
教職員のみなさんには、自分のできることを一生懸命やってほしい。少子高齢化、人口減少が進行していく。それは厳然たる事実です。決して明るい未来を描ける業界ではありません。厳しい状況だからこそ、教職員一人ひとりが考え、自分にできることを一生懸命やってほしいと思います。(8/8)
窪田 高明(くぼたこうめい)
昭和22(1947)年9月、東京生まれ。昭和47(1972)年3月、東京大学文学部倫理学科卒業。東大学力増進会での教育と運営に携わった後、松本短期大学講師に。昭和62(1987)年4月、神田外語大学の開学時に一般教育の助教授に就任。「日本倫理思想史」を専門とし、日本文化理解を重視する神田外語大学の教育の一端を担った。平成6(1994)年に同教授に就任。副学長、企画調整主幹、図書館長、日本研究所所長を歴任。平成30(2018)年10月、神田外語大学名誉教授に就任した。