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講演会の企画では、まず古田先生が講演者を選び、依頼をして、お引き受けいただくと、「みどりさん、決めてきましたから、後はよろしく」と私に連絡先を渡されました。内村剛介先生、ピーター・ミルワード先生など一流の研究者ばかりです(※5)。私が事務的な調整を行い、講演会当日は古田先生が講師の方の紹介とテーマに関する解説をされました。第一線で活躍されている先生方とコンタクトを取らせていただき、本当に勉強になりました。
文化放送ではラジオ番組『異文化見聞録 コロンブスのゆで卵』もスタートしました。講演会はアカデミックな啓蒙活動でしたが、マスコミを通じて一般に「神田外語は異文化コミュニケーション」というブランドを広めたいという佐野隆治理事長の考えから生まれた番組です。監修は日本文化研究の第一人者であり、ハーバード大学でも教壇に立たれた板坂元先生です。
番組ではエピソードを大切にしていて、日本人と外国人が一緒になったときに、どんなことが起きるかを紹介していました。毎週、異なるエピソードを紹介して、異文化コミュニケーションの実践的な知識を紹介していたのです。板坂先生の指示で制作会社が台本を作り、監修を経て、実制作に入ります。異文研も制作メンバーの一員だったので、私も企画会議に参加していました。
佐野隆治理事長はとてもエネルギッシュで、アイデアにあふれていた方でした。古田先生がお持ちの知識や人脈に耳を傾けながら、神田外語に必要な実践を次々とかたちにしていかれました。古田先生は研究者であり、佐野隆治理事長は神田外語グループを背負ってビジネスをされる方です。立場の違いはありながらも、共通項を認め合い、尊重し合いながらプロジェクトが進んでいったように思います。
私が神田外語学院にいた昭和61(1986)年は大学設置の大詰めの時期です。山本和男さんが大学設置準備室長を務め、久保谷富美男さん、北原賢三さんの3人が文部省との折衝にあたっていました。古田先生は大学の一般教養の先生方を集め、どのようなカリキュラムを構築するかに情熱を注いでいらっしゃいました。(5/11)