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50th Anniversary -Interviews-
神田外語大学が開学した年の夏のある日、佐野隆治会長から自宅に電話がかかってきました。神田の学院へ行ってみると、隆治会長は「池田先生、学生部長やってくれないか」とおっしゃった。学生部長はいましたが、辞めてしまった。その後釜というわけです。もちろん引き受けました。
当面の問題は浜風祭。第1回だから費用はすべて大学持ちだった。前の学生部長は「予算はいくらでもいいから、希望をどんどん出せ」と言って、辞めてしまった。学生たちはキャンプファイアをやって、真ん中にステージを作って、なんとかっていうロックバンドを呼んで、コンサートをしたいと言っている。僕は知識がないから「おお、そいつはおもしれぇ。火は1カ所にしねぇで、2カ所で対(つい)にするといい」なんてアドバイスをしていた。
僕は得意になって、教員の会議でもイベントの話をした。するとある先生が「池田さん、それ本気でやるつもりですか?」と聞いてきた。「本気ですよ」と答えると、その先生は「最近、船橋のイベントで暴走族が入ってきて大乱闘になったようですよ。ところで、警察には行きましたか?」と言うわけだ。
千葉西警察署に行って、キャンプファイアの話をした。対応した警察署の人は地図を広げてこう言った。 「ここにきれいな道路ができました。この道路を中心に13の暴走族グループがあります。私たちはこれらのグループが衝突しないよう、日夜かけずり回っているわけです。おたくの大学でキャンプファイアをやるのは自由です。でも、その火の手を見れば、連中はみんな集まると思います。その後に何が起きるかはご想像ください」 結局、キャンプファイアを中止にしました。さんざん「好きなようにやれー」って言っておいて、今度は、学生たちを集めて、「やめろー」ですからね。学生たちには申し訳ないことをした。
で、浜風祭は前日から雨。大学の備品にテントがなかったら、町内会から借りてきた。なのに、誰もテントの設営方法を知らない。僕はもちろん知らない。やっと設営できたと思ったら、風でひっくり返って、借りてきたテントはドロドロですよ。おまけに学生たちは僕に黙って近くの商店街から協賛金を集めていた。僕は1軒1軒回って挨拶をして、大学の設立を快く思っていないご近所さんにも頭を下げて。まぁ、ひとりでぐるぐる回りました。(6/11)