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50th Anniversary -Interviews-
僕は、昭和45(1970)年に学院の教員になって、佐野公一先生にはずいぶんと可愛っていただきました。ただ、2年ほどして、ある事情から公一先生を怒らせてしまった。自分は恥じるところがなかったから、謝りませんでした。でも、それが原因でずいぶんと辛い想いをしました。それでも僕は辞めなかった。それは、佐野隆治会長がいつも味方にいてくれたからです。「親父は頑固だからな、まぁ、気にするなよ」と、いつも言ってくれていたのです。
人は運に左右されることは多いでしょう。でも、その時、その時に支えてくれる人がいる。僕は佐野会長に支えてもらった。だから僕にしてみれば、佐野会長から言われたことなら、とにかくやり遂げようと思ってきた。まぁ、火の中に飛び込めとは言われませんからね(笑)。逆に、新しい難題を言われると、「あぁ、これで新しい勉強ができる」と思っていました。平成15(2003)年、僕は神田外語学院の第6代の学院長に就任しました。
平成3(1991)年から5年の歳月をかけて神田外語が創り上げたタスクベースド・ラーナーセンタード・シラバスと24冊から成るテキスト“Options”。僕が学院長になった平成13年には出版からすでに5年が経過していました。学生たちを見ていると教科書を学校に置いて帰ってしまう。教員もどうやらあまり活用していない。テキスト内で使われている題材がずいぶんと時代遅れになっていたのです。
このOptionsは、シラバスづくりのコンサルティングをしていただいたカンデリンやヌーナンの両教授のいるオーストラリアの出版社で編集して、インドネシアで印刷していました。ですから、改訂するにしても時間と費用がかかった。じゃあ、日本で出版すればよいのか?そうなると現地の出版社との契約が問題になっていくる。日本で英語教育のテキストの編集ができる出版社があるのか?テキストで使う写真やキャラクターなどコンテンツの使用許諾にどれくらい手間がかかるか?正直言って、出版を続けるメリットがあまりなくなっていったのは事実です。
Optionsは、使える部分だけを抜き出して使うことにして、基本的なテキストについては、市販しているテキストを採用することにしていきました。(11/15)