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50th Anniversary -Interviews-
学生数が増え、外国人教員が増えると、カリキュラムの組み方も変わっていきました。最初は、教務課が中心でやっていましたが、教員のなかにスーパーバイザーを設けて、彼らがカリキュラムを組むようになりました。それをどんどんシステム化していって、新しい教員のトレーニングも外国人教員がやるようになったのです。
クラスで教えるのは、スピーキング、リスニング、ライティング、リーディングの4技能が基本です。このうち、スピーキングとリスニングは、ネイティブ教員が教える。ライティングとリーディングは、バイリンガルの日本人教員が教えた。僕自身、英語はすべて日本人の先生から習ってきたし、その指導法には信頼を置いていましたから、神田外語学院のネイティブと日本人が役割分担をする教育体制は効果があると思っていました。
教員たちの上には、スーパーバイザーがいて、カリキュラムを作り、他の教員の指導を行っていくという体制が整っていきました。ただ、スーパーバイザーによって、英語の教授法が違ってしまうという現象が起きていきました。
あるとき、上のクラスで床を踏み鳴らすものすごい騒音が聞こえてきました。階段を駆け上がって注意しに行くと、その教室では学生たちはみな立ち上がって体を動かしている。いったい何をしているのかと聞くと教員は、「英語です。身体全体を使った学習法です(Total Physical Response Method.)」と答えるのです。
英語の教授法というのは、どれが完璧というのはないんですよ。教える相手の能力の段階によって最適なメソッドも変わります。外国人教員が100人いれば100通りの教え方があると考えたほうがいい。それぞれ専門的に学んだ教授法が違う。ダイレクトメソッド、ナチュラルメソッド、ファンクショナルメソッド……。教員それぞれに学んできた自負があります。
同じ学科の同じ学年なのに、隣のクラスでまったく違うことをやっているような状態になってしまっていた。まさに縦割りの状態で、教員間や学科間での情報共有がほとんど行われていなかったのが実情でした。神田外語学院としての一貫した英語教育ができなくなっていた時期でした。(6/15)