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50th Anniversary -Interviews-
振り返れば、大学時代は学校にも行かず、文学を乱読し、とにかく友人達と青臭い議論をしていました。就職もせずに、今で言うフリーターをしながら金を貯め、アメリカを放浪する貧乏旅行をしていた20代。でも、今になって思うのはそういった一つひとつの体験や教養が、私自身の「引き出し」となり、神田外語学院で学生たちを指導していくうえで、とても役立っているということです。
だから、神田外語学院で学び、働いている人たちには、自分に対して投資をして、たくさん本を読み、そして教育関係以外の人々とたくさんつき合ってほしいと思います。それがきっとみなさんの引き出しを作っていくはずです。
そして、温かい人間になってほしいですね。感謝の気持ちを忘れないでほしい。人の痛みを分かる人間になってほしい。僕は大学時代に、実存主義だ、西洋哲学だ、サルトルだと議論してきた。でも、結局は、お寺の息子なんです。輪廻です。ここで誰かに親切にすると、回り回って自分に帰ってくる。自分の子どもや孫が誰かに親切にしてもらえる。だから、やっぱり感謝の気持ちは忘れてはいけないんです。
佐野学園には、“Languages are the foundation to link the world in peace.(言葉は世界をつなぐ平和の礎)”という建学の理念があります。もうひとつ、佐野きく枝先生がよくおっしゃっていたのは、「笑顔は世界をつなぐパスポート」という言葉です。英語をしゃべれなくても、とにかく笑顔で挨拶ができれば、きっと人と人はつながっていけるはずです。僕は今もそれを強く信じています。(15/15)
水野五行(みずのいつゆき)
昭和17(1942)年に生まれる。早稲田大学第一文学部を卒業後、アルバイト生活で資金を貯め、昭和44(1969)年にアメリカへ渡航。全米を旅し、ニューヨークで1年間暮らした後、帰国。昭和45(1970)年10月、神田外語学院英語専任講師になる。平成元(1989)年より企画室の配属となり、学院の英語教育を再構築するプロジェクトで中心的存在を担う。平成15(2003)年、神田外語学院第6代学院長に就任。新EICの導入、新学科の設立、海外インターンシップ制の導入など革新的なプログラムを実行に移してきた。平成24(2012)年3月、学院長を退任。現在も佐野学園の理事として学院の教育に力を注いでいる。