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50th Anniversary -Interviews-
僕は学院長になってからカリキュラムをどうしていけばよいかを考え始めていました。カンデリン、ヌーナンの両教授とともにカリキュラムの大変革をしたときに一緒に研究を行った教員たちが、前学院長の方針でスーパーバイザーを降ろされたのにかかわらず、「あなたが学院長になったら、もう一度やってもいい」と言ってくれていたのです。僕は彼らと、平成16(2004)年からカリキュラムを見直していきました。ただこれは公にはできない。我々だけの秘密業務でした。
特徴的だったのが、EIC(国際コミニュケーション英語)の改革です。EICは、ネイティブ教員が英語によって英語を教える科目です。全学科に共通する科目で、神田外語学院の英語教育の核となるものです。
それまで、週4コマあるEICを同じ教員が受け持っていました。ところがこれだと、神田外語学院には英語のネイティブ教員がたくさんいるのに、ひとりの教員の英語アクセントに接するだけなので実にもったいない。そこで、EICを1コマ増やして週5コマにして、2コマと3コマで教員を分けることを考えた。それも1学期ごとに担当の教員を変えていく。そうすれば、2年間で8人の違うネイティブ教員からEICを学ぶことができる。世界ではさまざまな英語が話されているのです。異なる8つの英語アクセント(8different tongues)を経験するチャンスを与えてあげたい、という意図がありました。
加えて、北米やイギリス圏以外からも、英語のネイティブをどんどん採用するようにした。フィリピン、インド、バミューダ、カリビアン・オーシャンなど。英語はイギリスとアメリカだけの言葉じゃない。それは僕の信念でした。
こうして、さまざまな英語に接しながらコミュニケーション能力を高める新EICを、ほとんど費用もかけずに創っていったんです。平成18(2006)年にスタートしました。教育改革に直接携わっていた我々だからこそ、さまざまな失敗を経て、こういった改革ができたのでしょう。
Optionsというテキストそのものは絶版になってしまったけれど、一連の研究開発を通じて得たタスクベースド・ラーナーセンタード・シラバスという教育理念は、学院、大学、キャリアカレッジ、ブリティッシュヒルズなどの部門を超えて、佐野学園の英語教育を横串のように貫いているのです。(12/15)