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50th Anniversary -Interviews-
日本で英語を学ぶ場合、教室の外へ一歩出れば日本語の環境です。「その環境に最も適した英語教授法は一体何か?」という研究を始めるべきではないかと、当時、事務長だった佐野隆治会長は提案されました。外国人に対する英語教授法の分野でハワイ大学のジャック・リチャーズという研究者がいたので、その方に提案してもらおうという話になりました。彼が提案されたのが「タスクベースド・ラーナーセンタード・シラバス(Task-based/Learner-centered Syllabus)」だったのです。
これは、学習の中心に学生を置いて、学生に課題を与えて、それを解きながら能力を高めていくという手法です。日本の英語教育では、先に挙げた4技能(スピーキング、リスニング、ライティング、リーディング)を別々に教えようとする。でも、実社会ではすべてが同時に必要となります。
例えばオフィスで働いていて電話がかかってくる。「水野先生はいらっしゃいますか」と聞かれる(リスニング)。「外出していますので3時には戻ります」と答える(スピーキング)。相手の伝言を聞き取り、メモに残す(ライティング)。そして、相手の会社をきちんと知るには資料を読み込まなければならなりません(リーディング)。このように、実際の仕事では4技能をほぼ同時に使っているのです。
英語は、この4技能ができて、コミニカティブであれば、ホテル英語だって、秘書英語だって、スチュワーデス英語だって、何でもできるのです。後は、それぞれの分野の専門用語を覚えるだけです。
でも、その教育効果を高めるにはできるだけ英語漬けの環境を作らなければならない。その考えに基づいて、神田外語学院はILC(Independent Learning Center)を設立し、それをVISTA(Village of Innovative Study and Training Access)に発展させました。職業教育には地下のアッセンブリーホールを作りました。神田外語大学でも、SALC(Self-Access Learning Centre)やMULC(Multilingual Communication Center)ができた。そして、英語漬けの環境づくりの極みが福島県のブリティッシュヒルズです。(7/15)